DMOが“使える”観光統計を考える

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第130回運輸政策コロキウム

Supported by 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION

日時 2019/7/30(火)18:00~20:00
会場(所在地) 運輸総合研究所(東京)
開催回 第130回
テーマ DMOが“使える”観光統計を考える
講師 「ビッグデータ時代の観光統計をどう考えるか︖」
清⽔哲夫(運輸総合研究所研究アドバイザー、⾸都⼤学東京⼤学院都市環境科学研究科観光科学域教授)

「宿泊旅⾏統計調査の利活⽤環境の改善に向けた提⾔-DMOのKPI評価にどのくらい使えるか︖」
栗原 剛(運輸総合研究所客員研究員、東洋⼤学国際観光学部国際観光学科准教授)
コメンテータ 兵藤哲朗(東京海洋大学海洋工学部教授)

開催概要

 観光庁が整備する観光統計は、ここ10 年間でその充実が図られてきた。DMO 等の地域観光振興組織ではKPI 評価を通じたマネジメント体制の確立が求められており、現在取り組まれている観光統計の観光地単位で公表することへの期待は大きいが、必ずしも地域観光振興組織のニーズや課題に立脚したものとなっていない。加えて、ビッグデータの利活用への期待が急速に高まっているが、その方法論については依然として大きな研究課題となっている。
 本コロキウムの前半は、わが国におけるDMO 関連政策と観光統計整備の現状をレビューし、ビッグデータの登場を踏まえた今後の観光統計整備のあり方について問題提起する。後半は、地域観光振興組織のデータ利活用の課題についての調査結果を示した上で、宿泊旅行統計調査を例として、KPI 評価を目的とした観光地単位で公表やビッグデータ連携の可能性についての研究成果を報告する。

DMO:Destination Management/Marketing Organization
『地域の「稼ぐ力」を引き出すとともに地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりの舵取り役として、多様な関係者と協同しながら、明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりを実現するための戦略を策定するとともに、戦略を着実に実施するための調整機能を備えた法人』
KPI:Key Performance Indicator (重要業績評価指標)

プログラム

会長挨拶
宿利 正史<br> 運輸総合研究所会長

宿利 正史
 運輸総合研究所会長

所長挨拶
山内 弘隆<br> 運輸総合研究所所長

山内 弘隆
 運輸総合研究所所長

講  師
清⽔ 哲夫<br> 運輸総合研究所研究アドバイザー<br> ⾸都⼤学東京⼤学院都市環境科学研究科観光科学域教授

清⽔ 哲夫
 運輸総合研究所研究アドバイザー
 ⾸都⼤学東京⼤学院都市環境科学研究科観光科学域教授


「ビッグデータ時代の観光統計をどう考えるか︖」

講演者略歴
講演資料

講  師
栗原 剛<br> 運輸総合研究所客員研究員<br> 東洋⼤学国際観光学部国際観光学科准教授

栗原 剛
 運輸総合研究所客員研究員
 東洋⼤学国際観光学部国際観光学科准教授


「宿泊旅⾏統計調査の利活⽤環境の改善に向けた提⾔-DMOのKPI評価にどのくらい使えるか︖」

講演者略歴
講演資料

コメンテータ
兵藤 哲朗<br> 東京海洋大学海洋工学部教授

兵藤 哲朗
 東京海洋大学海洋工学部教授

講演者略歴
講演資料

質  疑

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当日の結果

 当日のコロキウムでは、清水教授より本研究の背景や日本のDMO政策と抱える課題として、データ等の継続的な収集・分析やデータ等に基づく明確なコンセプトに基づいた戦略(ブランディング)の策定、KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)等にあたって、既存の統計が使えないのではないかとの問題意識について提示があった。
 栗原准教授からは、県レベルより小さなDMOが既存統計(宿泊統計)を用いた場合の分析事例から、追加調査の規模やビックデータの利用による補完の可能性を示した。
 これらを踏まえ、共同研究の成果として、以下を提言した。
■観光庁への提言
 ・ビックデータの組織的蓄積と利用のオープン化を支援すべき
 ・地域観光振興組織とのニーズの把握や人材教育のためのコミュニケーションチャンネル設置を恒常化すべき
 ・観光政策・施策と統計・ビックデータに詳しいコーディネーター人材の育成を官学挙げて考えるべき
■観光学教育プログラムを提供する高等教育機関への提言
 ・統計・ビックデータの利活用に対する意識付けを行う科目を導入すべき
■観光振興組織への提言
 ・必須KPI(カウント)評価は観光統計と活用し、(デジタル)マーケティング・プロモーションのために人的・金銭的リソースを割くべき

 また、コメンテータの兵藤教授より観光統計の継続性の確保、現場の声の把握、ビックデータのオープン化 or 低廉化、分析結果や方法論を共有化するためにも公的な観光研究組織の必要性などが示された。

 参加者との質疑では、観光統計と合わせた移動実態(交通実態)の把握の必要性やビックデータのオープン化、その他さまざまな意見や質問が出るなど活発な議論がなされました。当日は、大学等の研究機関、国土交通省、地方公共団体、交通事業者、コンサルタント、ゼネコンなどから95名を超える参加者があり、盛会なコロキウムとなりました。

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関連情報