日本財団

研究報告会 2019年春(第45回)

主催 一般財団法人 運輸総合研究所
日時 2019年5月20日(月) 13:00〜17:30
会場 海運クラブ 国際会議場(東京都千代田区平河町)

研究報告会2019年春(第45回)の概要

 運輸総合研究所は、交通・運輸・観光の分野において「学術研究と実務的要請の橋渡し」を旨とし、政策提言や調査研究を行っています。

 研究報告会は、国土交通省の各種政策を踏まえ、関係団体、民間企業の様々な取り組みに貢献するべく開催しています。毎回、交通・運輸・観光を取り巻く重要な問題をテーマに講演・発表を行っており、研究員からの報告のみならず、国内外の運輸交通事業者のトップや研究者をお招きした特別講演を実施しています。

 研究員からは、IoTやAIなど、グローバルに、かつ、急速に展開する新技術の活用により、運輸・交通・観光分野に及ぼす影響等をテーマとした5本の報告を行いました。

 今回の特別講演では、トヨタ自動車コネクティッドカンパニーExecutive Vice Presidentの山本圭司様より、「スマートモビリティ社会の創造に向けて」と題して、御講演を賜りました。その後、日本大学理工学部交通システム工学科特任教授の石田東生先生にご登壇いただき、対談を行いました。

 当日は、山上範芳国土交通省総合政策局次長に来賓挨拶を頂くとともに、大学等の研究機関、国土交通省、地方公共団体、鉄道事業者、航空事業者、バス・タクシー事業者、その他交通事業者、コンサルタント、ゼネコン、自動車関連メーカー、報道機関などから360名を超える参加者があり、盛会な会となりました。

プログラム

会長挨拶  

 宿利 正史
 
 一般財団法人 運輸総合研究所 会長
来賓挨拶  

 山上 範芳

  国土交通省 総合政策局次長
 

所長挨拶  

 山内 弘隆

  一般財団法人 運輸総合研究所 所長
 
報告(1)  

「運輸、観光部門におけるAI等の活用可能性に関する調査」
 深作 和久
 主任研究員

 人工知能 (AI)の飛躍的な進化に近年注目が集まる中、運輸・観光分野におけるAI活用についても注目される状況にある。本調査の目的は、(1) 本分野におけるAI活用の実態を把握し、(2) 本分野のAI活用に関して今後優先して取り組むべき政策的課題ならびに調査研究課題を抽出することである。本発表では本分野におけるAI活用の進展を整理した結果をまず報告する。次に、課題の抽出に向けて有識者・実務者等を交えて行っている意見交換会での議論の結果を報告する。

報告(2)  

「自働化・AI化による我が国港湾の効率性向上に関する研究」
 瀬賀 康浩
 主任研究員

 我が国の港湾においては、少子高齢化に伴い、労働者の減少や熟練就労者技術の喪失が懸念されている。その一方、近年AIやIoTなどの科学技術が進展しつつあり、国土交通省はそうした技術を用いて港湾における生産性の向上や労働環境の改善を図るAIターミナル政策を進めようとしている。本研究は、自働化・AI化による我が国港湾の効率性向上に関し、その課題や定量化について検討することを目的として、生産関数を用いた解析などを行った。その結果、現状の自働化設備の課題や、効率化を図るべき港湾についての知見が得られた。

報告(3)  

「バス・タクシーでの自動運転車導入に関する検討」
 安部 遼祐
 研究員

 我が国では2020年頃からの自動運転車を用いたサービスの実用化を目指して、多数の実証実験が実施されている。本発表では、バス・タクシーでの自動運転車導入に関する最新の検討結果について報告する。特に、サービス提供者側の動向(中長期的展望、固定路線および非固定路線サービスの実現に向けた論点)ならびに利用者側の動向(安全性に対する利用者意識)を整理・分析し、今後の方向性を示す。

特別講演  

「スマートモビリティ社会の創造に向けて」
 山本 圭司
  トヨタ自動車コネクティッドカンパニー
  Executive Vice President

 電動化、知能化、情報化の進展により自動車業界は100年に一度の大変革期を迎えようとしている中、MaaSを中心にモビリティそのものがどのように変わろうとしているのか、そして今後我々が目指すべき豊かで実りあるモビリティ社会のイメージを、e-Paletteコンセプトとそれを実現する技術開発の現状と共に紹介いただいた。

対談  

 石田 東生
  日本大学理工学部交通システム工学科特任教授

 山本 圭司
  トヨタ自動車コネクティッドカンパニー
  Executive Vice President

報告(4)  

「経済情勢・人口構造等が我が国の旅客輸送量へ
               及ぼした影響の構造的把握」
 林田 拓人
 主任研究員

 地域交通活性化・交流人口拡大等が課題とされているが、それらに対応する上で、鉄道等の旅客の動向についての分析が必要と考えられる。本研究では、旅客数を対象に、経済・人口構造等による統計モデルを構築した。その結果、人口一人当たり旅客数に対する、経済規模・実質運賃・乗用車数等の影響を明らかにすることができた。その中でも、就業者数の係数(弾力性)が大きいと認められ、2013年度〜2017年度の旅客数の増加にも、特に就業者数の増加の寄与が大きいことが判明した。

報告(5)  

「東京圏における訪日外国人の観光と鉄道利用の実態」
 細野  晃
 研究員

 近年急増する訪日外国人は、社会に大きな影響を与えている。本研究では、既存の統計を用いて、観光目的の訪日外国人について東京圏での観光行動・宿泊実態・鉄道利用者数の分析・推計を実施した。宿泊者数については東京都内の約半数が新宿・東京・新橋付近であることのほか郊外にも一定数がいること、訪問地では新宿・渋谷・秋葉原・舞浜等が主であること、東京圏での鉄道利用者数は約20〜30万人/日であることが判明した。


閉会挨拶  

 春成 誠

  一般財団法人 運輸総合研究所 理事長
 

 

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