日本財団
「更なる観光振興と交通機関のおもてなし向上を目指して-2020年東京オリンピック・パラリンピック大会の成功に向けて-」の開催結果について
開催日時 2017年2月17日(金)14:00〜17:50
実施場所 ホテルメトロポリタンエドモント(東京・飯田橋)「悠久の間」
主催者 一般財団法人 運輸総合研究所
後援 日本政府観光局
参加人数 185名
プログラム プログラム(PDF)
招聘講師等 矢ケ崎紀子
東洋大学国際地域学部国際観光学科准教授(履歴)(講演資料

ポウル・ガウガー
イギリス観光庁北米事務所所長(履歴)(講演資料

イアン・エドモンドソン
ロンドン&パートナーズ大規模イベント部長(履歴)(講演資料

ジュン・アレックス・ヤマモト
ブラジル観光省戦略計画・管理部長(履歴)(講演資料

開催概要

 平成28年(2016年)に、訪日外客数は、過去最高の2403万9千人に達しました。これは、平成21年(2009年)に策定された「観光庁アクションプラン」において掲げられた「2020年に訪日外客数を2000万人とする目標」を4年前倒しして達成したものです。こうした順調な目標の達成状況に鑑みて、平成28年(2016年)3月には新たな目標として2020年に4000万人に、そして2030年には6000万人とする「明日の日本を支える観光ビジョン」が策定されています。
 2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会は、訪日観光客数の一層の増加に向けた起爆剤としての期待が高まっています。我が国の魅力を世界に向けてアピールすることにより、世界に比して遜色がない観光立国を実現する絶好の機会にもなります。一方、宿泊容量の制約への対応、開催地以外への入れ込み対策の強化等の課題もあります。オリンピックだけのために多数のホテルの新たに建設することは現実的ではありませんし、オリンピック期間中はホテルの宿泊料も高めに設定されるため、通常の観光客が押し出される「クラウディングアウト」が発生します。
 また、訪日客の足の確保に関しては、環境にやさしくバリアフリー対策も講じられた交通環境を提供し、東京の街のホスピタリティの向上を図る必要があります。特に、世界中から身体障害者が多数来日する「パラリンピック」の機会を捉えて、より高い水準のバリアフリー対策を推進することは大変意義深いことです。
 すなわち、ただオリンピック・パラリンピックを開催すれば、自動的に訪日外客数が増加するものではなく、関係者一同が適切な施策を講じていく必要があります。
 2012年のロンドン大会は、これらの課題に対する対策を十分に講じた成功事例とされています。イギリス政府及びロンドン市では、「レガシー(有形無形の培われた資産)」を上手に活かし、大会後においても引き続いて観光客数を増加させています。
 このため、(一財)運輸総合研究所では「更なる観光振興と交通機関のおもてなし向上を目指して-2020年東京オリンピック・パラリンピック大会の成功に向けて-」をテーマとして、国内外より有識者をお招きして国際セミナーを開催いたしました。
 本セミナーでは、観光行政に造詣が深い東洋大学の矢ケ崎紀子東洋大学准教授より、ロンドン大会時のイギリス政府の観光対策を概観して頂きました。ロンドン五輪では、観光振興対策の予算の配分を、大会前、大会中、大会後にそれぞれ2:2:5の割合で配分し、大会終了後に重点が置かれていたことが紹介されました。また、観光振興に影響力がある関係者を無料で招待したり、プロモーションビデオを無料で配布したりする施策が紹介されました。
 イギリス観光庁からはポウル・ガウガー氏をお招きし、観光の振興、ひいてはオリンピックの成功には、メディアの役割がいかに重要であるかについてご講演を頂きました。オリンピック委員会が公認したメディアに対して番組制作の支援を行ったほか、非公認のメディアに情報を提供するためメディアセンターを開設した事例が紹介されました。スローガンは、いかにも英国と認識することが出来る“Great”で、情報提供時に幅広く活用されました。
 ロンドン市からは、オリンピックを含めて数々のイベントの招致に活躍されているイアン・エドモンドソン氏をお招きし、ロンドン市がいかにホスピタリティの向上に努めているかについてご講演を頂きました。ボランティアを組織化し、観戦者の案内に従事してもらいましたが、この活動は大会後も引き続き継続されています。ロンドンの認知度を高めるため、マラソンコース、サイクリングコースは街中に設定されましたが、日常生活への影響もあるのでシミュレーションをしっかりと行い、交通の需要管理が適切に実施されました。
 ブラジル観光省のヤマモト氏からは、リオデジャネイロ大会に関する最新の情報を報告して頂きました。聖火リレーはブラジル全土をカバーし、観光地としてのプロモーションを促進しました。また、コーヒー、サンバ等のブラジルの文化を広報の中心に据えたり、荒廃した港湾エリアを再整備しプロモーションのメインエリアにしたりした事例が紹介されました。

 引き続く質疑応答、フリーディスカッションでは、以下のような考え方が示されました。

  • メディアの有効活用はレガシーとして引き継がれ、ラグビーワールドカップにおいても、メディアセンターを活用し、ラグビー発祥の地である英国に関する情報を提供した。日本ラグビーチームのブライトンの奇跡の機会を活用して、メディアへの露出を高めたのは好事例であった。
  • 障がい者の輸送対策として、リフト付の車両を充実させたが、これはレガシーとしてオリンピック後も活用されている。東京は公共交通機関が充実しているのでアピールするのが有効である。
  • ロンドン五輪では、観戦者の案内をするために、言語能力の高い方々7千人に親善大使になってもらった。
  • ブラジルも多様な人々がいて様々な言語を話すことが出来る人がいるので、ボランティアとして支援をしてもらった。また、翻訳アプリも有効である。
  • ボランティアの方々には、一体感、高揚感を持って頂き、主体的、積極的に関与して頂くことが重要。
  • 国のブランド作りのため、広報スペースを主要国の目立つ場所に設置することも有効である。
  • マスコミには、ネガティブな報道をされないように、伝えたいことを明確に伝えることが大切である。

 

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