日本財団
航空セミナー「アメリカ航空産業の現状と今後の展望 〜新たな収入源としての付帯サービスの現状と今後の課題〜」の開催結果について
実施日時 平成28年11月16日(水)18:30〜20:30
実施場所 航空会館 7階 大ホール
主催 (一財)運輸総合研究所、航空政策研究会
参加人数 139名
プログラム 第一部:研究報告
小林 太郎   (一財)運輸総合研究所ワシントン国際問題研究所次長

第二部:パネルディスカッション
モデレーター 山内 弘隆   (一財)運輸総合研究所所長
パネリスト 吉川 尚宏   A.T.カーニー(株)パートナー
    三ツ橋明子   (株)JTB総合研究所主任研究員
    小林 太郎   ワシントン国際問題研究所次長

開催概要
 1990年代には低コスト運航による低運賃を売り物にしたLCCが台頭しましたが、最近では既存キャリアの低コスト化が進み、その差が縮小してきたといわれています。
 こうした中2000年代半ばには、更なる低運賃を実現したULCCが事業を拡大し、米国国内線における運賃競争は、既存キャリアを巻き込んで激化しています。ULCCは、米国国内線マーケットにおいて5.9%のシェアを占めるに至っています。
 ULCCの特徴としては、従来運賃に含まれていたサービス料金を付帯料金として切り離し有料化することで、基本運賃を目立つかたちで引き下げることにあります。ULCCは、預入荷物手数料、座席指定手数料、オンライン・電話受付手数料、機内食販売等を基本運賃から切り離しています。米国ULCCの代表格のスピリットでは、収入の43%をこうした付帯収入でカバーしています。

 研究報告では、こうした付帯収入が増加している状況を報告し、以下の課題を提示しました。

  • 付帯サービスの多様化に伴い各種料金設定が複雑になり、分かりにくくなっている。
  • 低運賃化が進む一方、遅延や預託手荷物トラブルなどに関する苦情が多くなっており、最低限のサービスレベルは確保されるべき。
  • 我が国の既存キャリアは付帯料金を切り離す戦略はとっていないが、プレミアムサービス提供時の料金収受、マイレッジの利用方法の改善等に収入を増やす余地があるのではないか。

 また、パネルディスカッションでは、

  • 我が国でもLCCが定着しつつある。LCCの就航をきっかけとして、その安さに惹かれて航空を利用するようになった方も多い。また、最近では贔屓のLCCがあるという利用者も出てきている。
  • 航空運賃とともに、パッケージツアーに対しても価格選好が強まっており、航空会社、ホテル等を自由に選べる「ダイナミックパッケージ」が人気になっている。LCCは、当初はチケットの直接販売が主流であったが、ダイナミックパッケージ等のツアーに組み込まれるケースも多くなっている。
  • 航空業界は、携帯電話業界の状況と良く似ている。携帯電話業界では、様々な付帯サービスから収入を得ているがその収益率は非常に高く、総務省からの指導がある一方で、消費者としては合理的で賢明な行動をとることが求められている。
  • 携帯電話業界では、消費者からの収入収受の限界を意識し、広告の出し方を工夫してBtoBの収入を増やす努力をしているところであり、航空業界としても参考にできると考えている。
  • 携帯電話の付帯サービスは、キャリアを超えた独立したサービスになりつつある。今後の電子マネーの技術的発展を考慮すると、航空業界ではマイルをどのように活用していくかが求められている。

など、多様な論点について議論が展開されました。


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