日本財団
「公共交通活性化と地方再生〜公共交通とシェアリングシステムの連携〜」の開催結果について
開催日時 平成28年2月3日(水)14:00〜17:50
実施場所 ホテルメトロポリタンエドモント(飯田橋)「悠久の間」
主催 (一財)運輸政策研究機構国際問題研究所
参加人数 157名
プログラム PDF形式(183KB)
招聘講師等
中村 文彦   横浜国立大学 理事・副学長・教授(履歴)(講演資料
大城 俊司   横浜市都市整備局都市交通部都市交通課都市交通経営担当課長
履歴)(講演資料
Arnd Bätzner   スイス・モビリティ社取締役(履歴
猪爪 勇斗   エムシードゥコー(株)事業開発部長(履歴)(講演資料
Andrew Everett   イギリス・カタバルト・最高戦略責任者(履歴)(講演資料

開催概要

 昨今、我が国ではコンパクト&ネットワークシティを目指して自治体や事業者が連携する取組みが目覚しくなっています。一方、ヨーロッパ諸国では、街中のモビリティの改善、街の活性化を目指して、カーシェアリングやサイクルシェアリングを強化する動きが顕著になっています。我が国でもこうした「シェア」の考え方が浸透し始めましたが、欧州での取り組みは、理念や交通政策上の位置付けの点で学ぶべき点が多いのも事実です。本セミナーにおいては、海外のシェアリングシステムの利活用の状況を紹介して頂き、我が国における今後の可能性について検討を進めました。

 まず、横浜国立大学の中村文彦教授より、「公共交通戦略の動向と課題」と題し、公共交通機関の役割を明確化して頂きつつ、公共交通機関とシェアリングシステムとの親和性を確保するにはどのような戦略を構築していくべきかについて説明をして頂きました。自家用車からカーシェアリングに移動パターンを変更することで、新しい生活パターンを創造することとなり、それらをいかに組み合わせるかに妙があることを示して頂きました。

 横浜市の大城課長からは、横浜市が取り組んでいるサイクルシェアリングとカーシェアリングについて、現状と課題について説明して頂きました。横浜市は、産業の集積もある一方で観光の街でもあり、サイクルシェアリングはビジネス、観光両面に使用されている状況が示されました。一方、カーシェアリングは、日産自動車の超小型モビリティ等を利用していることもあり、観光、買い物、車両の試乗に対するニーズが高い状況が示されました。

 スイス・モビリティ社のバツナー取締役からは、カーシェアリングによって、都市という限られた空間を最大限活用可能となることが説明されました。自家用車に過度に依存する街が荒廃する事例も紹介され、街づくりの段階から交通のあり方を検討し、自家用車に過度に依存しない街づくりの重要性が説明されました。スイスのモビリティ社では駅や空港でカーシェアリングを利用することができ、他の交通機関と連携した使いやすい交通システムが提供されている状況も説明されました。将来的には、自動運転タクシーが実用化された場合、交通のあり方は根底から変わりうることが示唆されました。

 エムシードゥコー社の猪爪部長からは、フランスのサイクルシェアリングの状況について説明がなされました。フランスでは、持続可能な事業の仕組みとして、サイクルシェアリングと屋外広告事業を一体的に運営し、広告事業の収入をサイクルシェアリングのコストに充当する仕組みが紹介されました。フランスでは、使いやすい電動自転車を提供しつつ、適切にメンテナンスを実施していることから、利用者の幅広い支持を得ることができ、一日の回転数が多い日には6回以上となる状況が紹介されました。

 イギリス・カタパルト社のエベレット最高戦略責任者からは、イギリスが取り組んでいる自動運転車両の状況について説明して頂きました。イギリスでは、政府から自動運転車両の開発に助成金が支出されているとともに、他国に先駆けて公道での実証実験が可能となっている状況が説明されました。

 パネルディスカッションでは、以下のような考え方が示されました。
保有ではなくシェアするメリットとして、経済的に効率性が高く、都市の空間を有効に活用できること。
交通は人々の生活に深く関わっており、社会・文化のあり方と密接に関係していることから、「シェア」を高めることで、我々の生活の自体も変化していく可能性があること。
「シェア」を高める際には、「インテグレーション(総合的な交通の体系化)」の視点が必要であり、住民を中心に据えて、都市の全体像を検討することの重要であること。
欧州においては、カーシェアリングも公共交通機関のひとつとして位置づけられていて、公共スペースにも貸し出しステーションを設置することが可能となっていること。
将来的には、自動運転タクシーが実用化されて、交通のあり方が抜本的に変わる可能性があること。

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