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バックナンバー <Vol.8>

Vol.8 No.031 2006 Winter
(研究)スーパー中枢港湾育成に向けた内航・外航連続型フィーダー航路の提案
執筆者:古市正彦
本研究は,スーパー中枢港湾育成の鍵となるコンテナ貨物の集約に向けて,日本発着の国際コンテナ貨物を対象に直行航路と釜山港経由のフィーダー航路との競合関係を定量的に分析し,荷主のコンテナ輸送経路選好意識を明らかにした.そのうえで,単に日本発着の国際コンテナのうち釜山港経由貨物を中枢港に回帰させるだけに留まらず,中国等の第三国の貨物を積極的に取り込んでいくための重要なツールとなる可能性を秘めている内航・外航連続型フィーダー航路を提案するとともに,その実現に向けて今後取り組むべき課題について明らかにした.
Vol.8 No.031 2006 Winter
(報告)第二東名・名神自動車道への先端貨物輸送システムの導入提案
執筆者:石坂久志
1998年,第二東名・名神高速道路(第二東名神と略)に対して環境負荷が鉄道と同レベルで,ユーザーの負担にならない廉価なコストをコンセプトとした「高速幹線物流システム」1)が西田らにより発表された.その後,第二東名神はコスト削減計画(2003年3月)により暫定4車線で供用を行う事となり,導入課題であった「収容空間の確保」の可能性が高まった.本稿は,東海道の現状を把握し,トラック輸送の問題点を抽出した.次に,高速幹線物流システムを始めとする新物流システムをレビューし,システムの成立要件を整理し,新物流システムの第二東名神への導入を提案する.

 

Vol.8 No.030 2005 Autumn
(研究)都市鉄道のピーク需要分散策を念頭においた時刻別需要予測モデルの研究
執筆者:岩倉成志、原田知可子
本研究は,東京圏の都市鉄道のピーク需要分散策を念頭においた実務的価値の高い時刻別需要予測モデルの構築を目指した.この時刻別需要予測モデルは,混雑費用を効用関数に組み込んだ出発時刻選択モデルと企業の就業制度によって異なる出発時刻選択肢集合の選別モデル,BPR関数を応用した都市鉄道のリンクコスト関数から構成され,この3種のモデルを統合した確率均衡配分モデルによって30分単位の時刻別需要を予測するものである.これにより,フレックスタイム制度の推進,時間帯別料金制度の導入によるピーク需要分散効果が分析できることを示す.また,混雑緩和のための運行本数の増加が実際は利用者の効用低下を引き起こす可能性があることを指摘する.
Vol.8 No.030 2005 Autumn
(研究)100円バス導入の実態と効果−事業者アンケートによる実証分析−
執筆者:宇都宮浄人、宮沢康則、藤井憲男、小山 徹、
白井誠一、曽田英夫、西田 敬
本稿では,近年普及している100円バスについて,全国の事業者にアンケートを実施し,その効果や問題点のマクロ的な検討を行った.その結果,全体としてみると,運賃引下げが事業者の収入を減少させていること,休日も含めた街の賑わいを取り戻すに至っていないことが判明した.ただし,高齢者や平日の人出の増加にはつながっており,特に人口20〜50万人の地方都市においては,100円バスの導入が一定の効果をみせている.補助制度も活用しながら,公共交通の運賃設定を工夫することで,街とバス事業者双方の活性化が求められる.
Vol.8 No.030 2005 Autumn
(報告)社会資本の段階整備計画へのリアルオプション適用に関する研究
執筆者:高橋宏直、吉田二郎、山本幸司
意思決定において,不確実性を適切に考慮することは重要である.社会資本の計画策定における不確実性の取り扱いについては,特に金融経済学を応用したリアルオプションと呼ばれる研究が進んできている.しかしながら,実際の社会資本整備の計画策定に際して,不確実性が十分に検討されているとは言い難い.
本研究では,社会資本等の大規模なプロジェクトの整備計画を対象として,長い整備期間内での不確実性に対応するために,実務において活用することが可能なリアルオプション分析の手法を提案する.また,整備を段階化することによる工事費の増加および先行投資の許容額に関する合理的な基準を示す.
Vol.8 No.030 2005 Autumn
(報告)空港サービスに対する測定尺度としての顧客満足度評価に関する基礎的考察
執筆者:大根田洋祐、鹿島 茂
空港の経営現場において空港サービスのパフォーマンス・マネージメントの質的評価指標として,顧客満足度評価が用いられてきている.しかし,社会資本に対する評価の測定尺度として,空港計画手法での応用に関する公表された研究は少ない.本研究は,顧客満足度評価を空港サービス評価のための測定尺度として活用するための基礎的な研究を行ったものである.本研究では福岡空港において,国内線の出発旅客にアンケート調査を実施し,その結果を用い空港サービスに対する顧客満足度評価の有効性を検証した.さらに,総合評価に及ぼすサービス分野別影響度の関係を構造モデルとして構築し,空港経営にかかわる計画手法としての活用方法と課題を整理した.
Vol.8 No.030 2005 Autumn
(報告)外航定期船海運業における競争性の一考察:
寡占的企業行動と競争促進政策の動向

執筆者:遠藤伸明
本稿は,外航定期船海運業における米国と欧州連合(EU)ならびに日本の競争促進政策の変遷と同政策導入後の企業行動の変化について考察するものである.外航定期船海運業では,海運同盟とよばれる国際カルテルが認められてきた.しかしながら,1980年代から,米国やEUを中心に,海運同盟に対して,政策の見直しが実施され,個別船社による独立の運賃設定を認めることを義務づけるなどの競争促進政策が導入されてきた.先行研究によれば,同盟船社間ならびに同盟船社・同盟に属していない船社(盟外船社)間の競争が激化し,海運同盟における市場支配力は低下する傾向にある.一方,同盟船社と盟外船社の双方を含む,新たな協調的な企業間関係の構築の試みも見られる.1986年から2002年までのわが国外航海運会社大手3社のパネルデータを対象とするPanzar-Rosse H統計量の計測から,これら大手3社は完全共謀(カルテル)的には行動しておらず,また,その市場支配力はそれほど大きくないと思われる.競争促進政策導入後において,競争がある程度機能している可能性がある.

 

Vol.8 No.029 2005 Summer
(研究) 国際海上コンテナ貨物の陸上インターモーダル輸送システムの構築 −国内陸上輸送における鉄道の活用に関する検討−
執筆者:q 国権
経済・産業のグローバリゼーションの進展により,国際海上コンテナ貨物量の増加,輸送市場構造の変化,港湾間及び海運業者間競争等がもたらされている.それゆえに,国際海上コンテナ貨物を合理的かつ効率的に輸送することが求められ,港湾間の連携や海運業者のアライアンスと再編が進められている.一方,国際海上コンテナ貨物の国内における輸送は,トラック輸送に過度に依存している.交通事故,渋滞,環境問題等の原因になり得ることもあり,この非効率輸送の問題が指摘されている. 本論文では,国際海上コンテナ貨物の国内陸上輸送を対象に,その状況及び問題点を整理するとともに,荷主の陸上輸送機関の選択要因を分析し,国際海上コンテナ貨物の陸上インターモーダル輸送システムの必要性と実現可能性について検討する.また,海外の港湾で行われている鉄道と海運の連携を紹介し,鉄道を利用した国際海上コンテナ貨物の輸送に関する対策を考察する.
Vol.8 No.029 2005 Summer
(研究) 「ちゃくちゃくプロジェクト」による道路整備のマネジメント
執筆者:岡本 博
社会資本整備にあたって,厳しい財政制約の下で選択と集中により迅速なサービス提供を目指すとともに,説明責任を果たすことが求められる.本研究では,「ちゃくちゃくプロジェクト」と名付けられた実施例を通して,業績目標の設定と公表による事業のマネジメント方法について,効果と実施上の課題を明らかにする.この実施例は,道路整備事業に関し,(1)効果の高い投資計画を策定し,(2)個別事業単位で目標を設定・公表した上で,(3)徹底した進捗管理を行い,(4)目標の達成度を評価し計画を更新する.初めてサイクルを一巡し,関係者の連携強化,地域の協力,積極的なコスト節減,担当職員の意識向上といった大きな効果が明らかになった.
Vol.8 No.029 2005 Summer
(報告) フランスのオルリー空港開放過程(1993〜95年)
執筆者:河越真帆
航空自由化の風潮の下で,首都圏の国内空港の国際化,また空港間での国際線分担をどう実現させるか.こうした諸問題に関する事例として,本報告ではEC(European Community:欧州共同体)主導で自由化を推進した欧州航空市場におけるフランスのオルリー空港開放の経験を参照する.構成としては,国内線の拠点であるオルリー空港がどのような経緯を辿って国際化を迫られたのか,他のパリ空港との発着枠配分に関する制度がどう変化したかという2点を明らかにする.また,90年代前半の同空港開放の経験を踏まえて,空港国際化への示唆を行いたい

 

Vol.8 No.028 2005 Spring
(研究) 北海道観光振興計画はアド・バルーンか?−外国人観光客数予測と産業連関分析−
執筆者:櫻井賢一郎、細江宣裕
北海道庁は観光振興によって地域経済を活性化すべく,平成19年度までに外国人来道者数を54万人まで増加させるという目標を定めたが,その達成見込みに関する実証的な検証はなされていない.本研究では,今後の外国人来道者数について統計的手法を用いて予測することによりこの目標値の妥当性について検証し,目標値はそう無理のない数値であることが判明した.さらに,外国人来道者数が増加した場合の経済的影響として,約600億円の生産誘発を生み出し,さらにそれは雇用を誘発して,北海道の完全失業率を0.3ポイント引き下げるという結果が得られた.
Vol.8 No.028 2005 Spring
(研究) 高速自動車国道への総合評価手法の開発・適用に関する研究
執筆者:前川秀和、松岡 斉、上泉俊雄
今後の高速自動車国道の整備手法の検討に際し,道路関係四公団民営化推進委員会での審議結果を受け,国土交通省道路局では,総合評価手法による手法の開発及び適用に係る検討を行った. 本稿では,総合評価手法の具体的内容についての紹介とともに,開発・適用作業を通じて明らかになった課題等について,総合評価手法のさらなる開発・適用に資するために実施した一連の研究結果を紹介する.
Vol.8 No.028 2005 Spring
(報告) 公共交通の顧客の価値観の構造分析−顧客主義からとらえた公共交通−
執筆者:中野宏幸
公共交通については,ニーズが多様化し,また,規制緩和が実施される中で,「目指す姿」を明確にし,民間・行政あいまって,住民にとって,より満足度の高いサービスの提供を目指していくことが重要である.本研究は,顧客主義の立場に立って,心理学の理論を踏まえながら,社会的価値を含め,多様化する顧客の価値の内容と構造を分析してみたものであり,これにより,顧客特性ごとに,重視度に関する意識を質的・構造的に把握することができた.この結果は,政策目標を指向した公共交通政策体系の構築,シェアード・アウトカムという考え方による各主体におけるサービス改善の検討に資するものと考えられる.
Vol.8 No.028 2005 Spring
(報告) 首都圏の実時間鉄道利用者流動推計システムの構築−領域型時空間ネットワークモデルの活用−
執筆者:田口 東、鹿島 茂、鳥海重喜、斎藤正俊
本稿では,首都圏鉄道網を対象とした実時間鉄道利用者流動推計システムについて報告する.本システムは,(1)利用者の時間的変動を扱っている,(2)電車の運行を1列車ごとの運行として明示的に直接表現している,(3)利用者を路線ごとではなく,首都圏の全路線を対象として出発地から目的地までの移動を一貫して扱っている,(4)利用者が乗車する電車の選択を利用者均衡配分問題として扱っている,という特徴を有している.本システムを利用して,(a)常磐新線の開通に伴う需要予測,(b)東急田園都市線でのピーク時の優等電車の廃止による輸送能力の変化,(c)利用者が混雑を回避する選好を持つときの利用状況の計算,のそれぞれについてシミュレーションを行った.
Vol.8 No.028 2005 Spring
(報告) 空港経営におけるサービスに対する質的評価指標の事例
執筆者:大根田洋祐、鹿島 茂
空港の経営において効率性を高めるとともに,公共サービスとしての公正性や,透明性,アカウンタビリテイを維持する枠組みとして,行政評価手法の導入が考えられるが,手段としての有効性を高める上で評価指標のあり方が問題となる.本論は,空港経営の枠組みを支援する評価手法を検討していく上での参考として,空港経営のサービスの質に対する評価に関する海外事例を紹介するものである.

 

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