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バックナンバー <Vol.13>

Vol.13 No.4 2011 Winter
(政策研究論文)都市鉄道の混雑緩和と速達性向上のための3線運行手法の提案
執筆者:江口 弘
都市鉄道の輸送サービス水準は,積極的な設備投資によって大きく改善されてきた.その一方で,一部の鉄道路線では未だに激しい混雑が発生している.近年,鉄道事業者の設備投資意欲は低下しており,今後,これらの路線の輸送サービスの改善は困難な状況にあると言える.本研究では,海外で導入されている運行手法を参考にして,複線路線に単線路を追加した3線による運行手法を提案する.この手法では従来の線増方法より少ない費用と工期で,時間帯によって変化する輸送需要に柔軟に対応する運行が可能になり,さらに運転支障事故が発生した場合でも複線による輸送力の確保が期待できる.
Vol.13 No.4 2011 Winter
(報告論文)東京の地下鉄の一元化に関する法制的問題点の検討
執筆者:楠木行雄
2010年8月に開始された「東京の地下鉄の一元化等に関する協議会」は,国,東京都,東京メトロのそれぞれの主張があって,難航の兆しがある.本稿は,都営地下鉄とメトロの統合,メトロの完全民営化及び利用者サービス改善の関係を歴史的な経緯から,分析するとともに,これまでの著作で分析の重点になかった最近の一元化についての都の主張の背景を探求した.また,本稿では,各種調整手段に関連して統合や運賃水準統一の是非を検討するとともに,交通調整の根拠であった陸上交通事業調整法がまだ生きていることから,その復活適用の可能性や独占禁止法との関係についても論じた.
Vol.13 No.3 2010 Autumn
(学術研究論文)訪日外客の公共交通に対する選好の定量分析
−成田空港アンケート調査によるWTP推計とコンジョイント分析−

執筆者:早川伸二、奥山忠裕、室井寿明、
ミッシェル・パルモグ・ペルーニャ、毛塚 宏、藤附k一
2003年1月の「観光立国宣言」以降,訪日外客を増加させるために,様々な施策が強化されている.交通の分野においても,外国人観光客の旅行を円滑化するために,公共交通機関における外国語等による情報提供の充実が制度化されている.しかし,交通分野で,情報提供以外にも,訪日外客のニーズに対応するために実施することが望ましい事項が従来から提起されている.そこで,訪日外客の選好を把握し,この点についての検討を深めるための一環として,成田空港で実施したアンケート調査の結果に基づき,ジャパンレールパスによるのぞみ号利用への支払意志額を推計するとともに,東京圏フリーパスに対する選好の優先順位を把握するための定量分析を行った.
Vol.13 No.3 2010 Autumn
(学術研究論文)ラムゼイ運賃形成から見た鉄道相互乗り入れ運賃の分析
執筆者:竹内健蔵
2社の鉄道企業がそれぞれの所有する鉄道路線を相互に他社に利用させる場合のラムゼイ運賃について分析を行った.2社全体の収支均衡を求めるプール制共通運賃,個々の企業の採算を確保する個別採算制共通運賃,個々に収支均衡できる運賃を求めた後にそれらを合算する併算運賃,合併して1社で提供する運賃について,ラムゼイ運賃の観点から比較検討を行った.数値例によるシミュレーションも合わせた結果,共通運賃には通常のラムゼイ・ルールが適用できること,共通運賃よりも併算運賃の方が価格が高く,資源配分を歪める傾向があること,個々の単独路線のラムゼイ・ルールには変更が不要であることなどが分かった.
Vol.13 No.3 2010 Autumn
(報告論文)福祉有償運送事業の運営実態から見た持続可能な移動サービスの現状と今後のあり方 −神奈川県における運営実態調査から−
執筆者:阿部名保子
高齢化の進展とともに,単独では公共交通機関を利用できない移動困難者が増え,郊外住宅地では自家用車に依存しており移動制約者が増加している.70年代からボランティア団体による助け合い活動として始まった移送サービスが,2006年の道路運送法の改正で福祉有償運送として制度化されたが,様々な規定があり,運営が厳しく解散・廃業した団体が増えている.神奈川県内の福祉有償運送の登録団体に実施したアンケート等の結果から,継続意向が消極的な団体はどのような特徴があり,どのような要因からそうなるのかを明らかにした.そして,持続可能な移動サービスには人の確保と柔軟な制度設計が必要となり,その方策を検討した.
Vol.13 No.2 2010 Summer
(政策研究論文)東京圏におけるロジスティクス・ニーズに対応した港湾域物流拠点の再開発手法
執筆者:久米秀俊
大都市圏港湾域においては,物流施設立地ニーズが高い一方で,これら施設整備の用地が限られており既存埠頭を物流拠点として再開発するニーズがあるが,面的整備による再開発手法は殆ど検討されていない.そこで,東京都市圏港湾域をモデル地域として,最近の物流事業者のロジスティクス・ニーズに対応した港湾域における国際物流の一層の効率化や安全確保,道路・鉄道などとの交通接続性の強化,空間利用の高度化などを可能とする物流拠点再開発手法の方向性を検討した.具体には,物流施設立地動向,港湾域の空間利用の現状分析等を行い,新たな再開発の計画制度やその実現のための事業制度からなる再開発手法を検討・提案した.
Vol.13 No.2 2010 Summer
(学術研究論文)国際航空旅客市場における都市圏間純流動旅客数の推定
執筆者:寺崎淳也、鹿島 茂、谷下雅義、大根田洋祐
本論文は,国際航空旅客輸送市場における純流動旅客数を推計する手法を示し,それが現在その代替として広く用いられているOFOD統計とどの程度乖離しているかについて検討するものである.具体的にはOFOD統計をもとに利用者の経路と航空券の種類の選択行動を定式化して推定される空港間の利用者数と,定期国際便の空港間利用者の統計であるTFS 統計の空港間利用者との差が最小になるように選択行動のパラメータを推定し,純流動旅客数を推定する.この手法を世界の主要10都市間に適用し,OFOD 統計と推計した純流動旅客数が約27〜33%乖離している可能性があることを明らかにした.
Vol.13 No.2 2010 Summer
(報告論文)空港発着枠の二次的売買システム
−その背景,現状及び課題 英国を例として−

執筆者:伊勢尚史
わが国同様大都市圏拠点空港の容量不足に悩まされてきた英国では,90年代後半より航空会社間におけるスロットの二次的売買が判例上認められてきた.本売買はスロットの交換を行うとともにスロット間の実質的な価値の差異を金銭にて填補するというスキームにて行われてきており,これまで空港容量という希少資源の有効活用に貢献した一方で,そのさらなる展開に際しては,スロットが包含する権利の明確化,売却益に係る利益調整システムの構築,売買の透明性確保,及び寡占の防止といった課題が残されている.
Vol.13 No.2 2010 Summer
(報告論文)ニューヨーク首都圏空域における航空管制の現状と空域再編
−我が国首都圏空域における航空管制運用の効率化への示唆−

執筆者:平田輝満
世界でも有数の混雑空域であるNY首都圏の空港では,近年その混雑の影響で航空機の遅延問題が深刻化している.その1つの原因が非効率な空域設計にあり,その改善のために世界でも例のない大規模な空域再編が約10年かけて計画され2007年末から一部実行に移されている.本報告では,まず,狭隘な空域で世界最大規模の発着回数を処理しているNY首都圏空域における航空管制の運用方法の現状を紹介し,大規模な空域再編による遅延問題,環境問題の改善方法について報告する.最後に,それらNY首都圏空域の管制運用および空域再編と我が国首都圏空域における管制運用を比較しながら,我が国の将来の管制運用効率化に対する示唆を述べる.
Vol.13 No.1 2010 Spring
(学術研究論文)都市間優等列車におけるフレキシブルな座席種別設定施策の効果に関する研究
−幹線旅客鉄道インフラの更なる高効率利用を目指して−

執筆者:柴田宗典、寺部慎太郎、内山久雄
通常,我が国の都市間優等列車では指定席と自由席の2種類の座席が供給されているが,座席種別(席種)毎の供給量や料金は固定的であり,指定席の予約はFirst Come First Served ルールに基づいているため,未利用座席の発生等により座席利用率が低下している.そこで本研究では,幹線鉄道旅客のトリップデータから構築した離散型の席種選択モデルを需要予測モデルとした席種設定シミュレーションシステムを開発し,フレキシブルな席種設定施策の効果分析を行なった.その結果,@既存インフラの高効率利用,A利用者の利便性の向上,B鉄道事業者の収益性の確保,以上の観点から効果的な施策である可能性が示された.
Vol.13 No.48 2010 Spring
(報告論文)退役航空機を取り巻く現状と課題
執筆者:寺崎淳也、鹿島 茂、大根田洋祐
本稿では,航空機の残存率曲線を用いて今後の退役機の動向,特に騒音や温室効果ガスの排出に対する規制が機材保有に与える影響と,退役機から発生する複合材料の増加について考察した.国際化による輸送需要の増加,環境面からの規制の強化,レアメタルの確保,複合材料のリサイクルの必要性を受け,増加する退役機のリサイクルに関して組織化・効率化を目指す動きが生じている.我が国の航空機部品メーカーは多面的に生産段階で大きな役割を果たしているが,日本企業のこれらの組織への参画はない.今後の動向を考えると退役機の処理への参画が期待される.

 

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